ハーレムの「ピカ☆ンチ」レビュー
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屋台船に乗って酔っぱらうような大人には、確かになりたくないもんだ・・・ 

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絶賛!PIKANCHI感想文 

     by キリエ    2002年11月8日

堤幸彦さん率いるオフィスクレッシェンド・マジックを久しぶりに堪能した。もう、今からこの映画の舞台である八潮に行きたくてたまんない!!私の中では、映画やドラマを見てからロケ地に行きたい!と思う=その作品に惚れた!を意味する。『木更津キャッツアイ』を見た時にかなり近い衝動だ。

ストーリーは、これといって無い。(笑)かといって、意味の無い映画では決してない。サブタイトルである「Life is hard だけどhappy」(人生は厳しい。だけど、楽しい)という壮大なテーマをコミカルに、今風に、そして分かりやすく、ストレートに、また風刺的かつ能動的に、そして芸術的に表現している。

正直、嵐のファン層である中高生達がこの映画を見ても真のオモシロさは伝わらないだろうと思った。例によって、私くらいの年代じゃないと分からない小ネタやギャグが満載だったから、きっと嵐ファンはメンバーの顔を追って終わってしまったのではないか?それでも、この映画が伝えようとするメッセージやカッコ良さはきっと伝わったと思う。この映画をきっかけに是非、類似作品を見て頂けたらと思う。

今は昔、数10年前のジャニーズのアイドル映画はファンじゃないととてもついていけないような低次元なシロモノだった覚えがある。なのに「PIKA☆NCHI」を見て数10分経つと「嵐=アイドル」だとか、彼らがデビューした時に、「嵐?なんかパッとしないんじゃな〜い?!」などと冷ややかな目で見ていた自分の先見の目の無さを悔いたくなる程、嵐の5人にのめり込んでいた。また、嵐自身もアイドルというステータスやイメージをかなぐり捨てて、体当たりで各役柄を完璧にこなしていた。キスシーンあり、エロビデオ鑑賞会あり、下半身全裸あり(!)、ぶざまでカッコ悪いシーンも多い。って言うか、やり過ぎ?大丈夫?等と見ている方が心配するくらいなのに、彼らは何の衒いも無く開けっぴろげに演じきっていたのだ。

氣志團ばりのリーゼントでヤンキーの忠を演じた櫻井翔くん。エリートご一家であられるご家族がこの映画を見たら一体何と思われる事でしょう・・・。(笑)ちょっとバンビが入ってたシーンもあってカナリ嬉しかった。

ぶさいく系の女性好み(やった!)でしかも「男もイケるという、ベトナム人一家に留学する野心家、ボン役の松本潤くん。英語なまりとベトナムなまり、ヒステリックに笑わせていただきました。

金髪クール、スケボーの名人でリーダー的存在の二宮和也くんが演じたタクマ。ニノの声やセリフを言う時の発声の素晴らしさは天性のモノですね。哀愁漂うキャラは彼の十八番。今回もウルウルさせていただきました。

ちょっと浮いたキャラで、アンブロのイングランド代表ジャージーをおしゃれに(?)着こなすハル役の大野智くん。団地における投身自殺目撃率No.1だそうですが、私の友人にも似たような人物がおります。お人よしのキャラは大野くんにピッタリ!いつもの様に絶妙なナレーションも堪能!後半のハルの行動力には身震いがしました。

そして、主役のシュンを演じた相葉雅紀くん。彼の成長は著しい。等身大の高校生のラブロマンスを自然に好演。ひと目ぼれした猿岩石大ファンのみくさんとの絡みでは爆笑!飄々としたパーソナリティーは彼の人柄が滲みでていた。

そして、忘れてはいけないのが、この映画の要の存在であった音楽の完成度!Kick The Can CrewのDJ Shuhoさんによる国籍のない音楽のクオリティーに思わず聴き入ってしまう場面もありました。デジタル・サウンドの最骨頂!とにかく音響が大爆音で素晴らしかった。私って、普段から音楽を小さい音で聴けないんですよ。(でも、決して右翼や暴走族上がりではありませんので、誤解のないように!)

映像は堤幸彦さん率いるオフィスクレッシェンド。イッツァ・マジック!言うまでもない絶妙なトッピングを嵐の演技に振りまいていく。特に過去を振り返るシーン等は、動きのあるスティル映像を独特の手法で紙芝居の様に見せる。ガス・ヴァンサン(米映画監督)がかつて試みた手法に一歩、いや数歩進んだ画期的手法に感動。この手法に最初は馴染めない人も多いかもしれないが、時代を先行く芸術とは得てしてそんなものだ。

この映画では「あんな大人になりたくない」のモデルとして、屋形舟が重要な役割を占めのだが、その屋形船で酔って騒ぐサラリーマン達に向かって嵐全員がパンツを下ろして生尻を向けるシーンは圧巻!海外の青春映画によくあるシーンだけど、まさかジャニーズ版が拝めるとは思わなんだ。ただし堤さん特有の手書き風のモザイクがしっかり入ってますが・・・(残念!)また、エロ・ビデオを借りて、一同に見るシーンがあるが、お若い嵐ファンの方にはちょっと酷だったかも。「木更津キャッツアイ」でもバンビがモー子のコンパニオン姿を見た時に同様のシーンがあったけど、意味分からなかったんじゃないかな?要は、エロビデオを見ながらある状態になった順番に(爆)手を上げるんですけど、確かハルくんとかメチャクチャ早くて(再爆)、ビデオをプレイバックした途端に手を上げたり、最後の忠が上げてから毛むくじゃらの男性のみアップになると皆興ざめしちゃうんだけど、唯一ボンだけがひたすらビンビンに手を上げてTVの画面に乗り出してくるなんてシーンは、お子様連れのお母様とかきっと困惑されたでしょうねぇ。チビッコさんも大勢いましたから。私たちシニア・シートの人間は手を叩いてはしたなくオバサン丸出しで喜んじゃいました!なんてったってこの映画のコンセプトは「ハレンチ」&「ピカイチ」な訳だから、当然「ハレンチ」な下ネタシーンは必要不可欠であり、嵐がそんなどこにでもいそうな等身大の高校生を演じているなんて妙に生々しくて異常にウケてしまった。

そして忘れちゃいけない「Life is hard」な部分。それぞれのキャラクターにそれぞれのハードルはあるけれど、最も底辺だったのがタクマ。彼は家庭環境や経済的に恵まれていないハードライフの代表者だった。彼を待っていた悲劇の訪れは予想通りだとしても、ニノの演技に自然と吸い込まれていった。

出演者も製作者も皆一同に、客の反応が見たいと行っていたけど、実際問題彼らが望むような反応をしているのは、堤さんネタによっぽど慣れている客層か、私たちのようなシニア・アイドル・ファン(勝手に命名)だけじゃないかな?イノッチが制作発表の際に、映画の最後出演者がいなくても映画が良かったらスタンディング・オベーションして欲しいっ、みたいな事を言ってたけど、私は本気でしました!(爆)追随してくれた方もいたので、恥かかずにすみましたが・・・

「青春映画」と銘打たれただけに、随所に「スタンド・バイ・ミー」や「グローイングアップ」等のような懐かしの青春映画の王道を行くシーンも散りばめられていて、見ていてくすぐったいような気分になったり、また自分の青春時代が甦ってグローブ座を出たときはおかげで精神年齢がまたまた数10歳若返りましたもん!

嵐&イノッチ+オフィス・クレッシェンド+KTCC+猿岩石(笑)=「必見の価値あり!」この方程式の結果に誤りはない!


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PIKA☆NCHI礼賛 

by ミリオンダラ子    2002年11月15日

映画を見るまで嵐って自分の中ではハッキリ言って未知の存在でした。そりゃ「木更津キャッツアイ」も見てたし、「ごくせん」も見てました。「ムコ殿」には相葉ちゃんも出てたし、「ハンドク」ではニノも一緒だった。大ちゃんはバラエティでのどこまで本気でどこまでウソん気なのかわからない独特のムードに少なからず注目していた・・・、でも、それだけじゃ嵐は伝わらなかったんですよ。で、この映画であっさり理解できるようになりました(笑)。確かに歌って踊っている姿と比べれば全くもってカッコ良くはないかもしれないけど、私はこっちの嵐の方がずーっとカッコイイと思いましたね。

それは、然るに・・・


〇センス・オブ・ユーモア
彼らはかなり質の高いユーモアを解してしますね。堤ワールドを理解しているし、何をすればどんな演技を求められているのかを台本だけではなく、体で(もちろんアタマも・笑)理解していますもん。堤さんのクセのあるユーモアの世界は、下世話でいて高尚なんですよ。芸術なんですよ!それは、ただ演じるだけじゃ伝わらないんですけど、嵐は「IWGP」の時の窪塚洋介ぐらい理解して自分のモノにしてます。それがこの映画を見て一番好意的に感じる部分でもあり、イコール私的に嵐は合格!ってことになった所以です。

〇芸術作品として耐え得る被写体
みんなキレイでしたね。堤さん上手く撮るな〜とひたすら感心。そりゃ役どころはとんでもないのかもしれないけど、アングル、光、フィルムの彩色等々の映像美に堤監督の味がじんわり滲み出ていて、またそれに呼応するかのようなメンバーのイキイキとした表情が本当に文句なくキレイでした。シュウが仲間を紹介する回想シーンではスチールショットを多用して、でも音だけは流れているという不思議な手法が印象的でした。

〇小ネタ
小ネタは探すモノではなくイヤでも見つかるものです。ちょっとしたオチやセリフがいちいちツボを刺激して・・・。それほど自然に目に耳に入ってきてしまうからこそ笑えるんですよ〜、これも堤ワールドの成せる業ですね。

1. .FMのDJ
相葉ちゃん演じるシュンのお父さんがローカルのDJをしているんですが、ストーリー冒頭で が仲間を一人一人紹介していくシーンのバックでこのお父さんがめっちゃ喋りまくってるんですけど、リスナーのペンネームといい紹介している話題といい濃くて濃くて。相葉ちゃんの語りは聞きたいし、は気になるし、のっけからコレかよーと早くもゼイゼイしてしまいました。

2. 団地の階級
現実にありそでなさそなシチュエーションなんですが、以前都内の某有名団地群の一角に住んでいる友人から「団地もさぁ〜賃貸と分譲では派閥があってね、子供の公園デビューもイチイチ様子伺わないと相手間違っちゃうのよ」と言っていたのを思い出し、まんざら脚色ばかりでもないことをここに付記しておきます(笑)。

3. なめんなよ
翔くん演じる全開バリバリのツッパリボーイ、チュウのゲンチャリに貼ってあったステッカーは1979年の終わりに大ブレイクした「ナメ猫」のロゴステッカーでしたね。ナメ猫は「木更津キャッツアイ」で登場した喫茶店「男の勲章」にも貼ってあったのをご存知ですか?

4. 原宿神話
今時、原宿に行くのが夢なんて都内在住者はいないって!そんなことは百も承知で原宿を敢えて崇め奉っているところがイケてるよね。しかも、トラデッイショナルな「原宿=クレープ」の方程式には今更・・・と思いつつも笑っちゃう。

5. ビデオ屋TSUTSUMI
5人がAVを借りて“鑑賞”するシーン。差し出されたビデオ屋の袋はもちろんTSUTAYAをパクったものでしたが、良く見るとTSUTAYAではなくTSUTSUMIだった(爆)

6. マツジュン
ボンのキャラは強烈でしたねぇ。しかもサイコー!まず、あのエグいバックル!なんじゃありゃ?ってなオカルトとも呼べるようなドでかいバックルをつけていましたよね。カニ道楽みたいなヤツとか・・・。そして、彼の言葉の端々に登場する外来語が丹念に英語の発音になっていて(笑)、留学が決まった時に土手で5人が語り合うシーンでのマツジュンのセリフを笑わずに聞くなんて、そんなのムリです!

7. 微妙な猿岩石
なぜ、今猿岩石ぃ〜!?という雄叫びを上げたくなるような、もはや芸能人として微妙なポジションの彼ら(スイマセン!)。しかも、この猿岩石はメチャクチャ人気があって追っかけはいるわ、シュウの彼女のみくちゃんは大ファンでメロメロだわで、ありえネェ〜・・・という展開。最大の山場でもある盆踊り大会にも小ネタは満載でしたよね。盆踊りの練習で大チャンが食われちゃった★ちゃんのお母さんの踊りっぷりも見事だったけど、みんなおそ松くんのイヤミよろしく「シェー」を繰り返してたり・・・、もちろん猿岩石登場には会場のボルテージはマックスになるところなんざ、もう爆笑×3000回転!

8. めざまし時計
タクマのお父さんが亡くなって、シュウが翌日入試なのに慌てて起きて目覚まし時計をガバっと見るシーン。その時計のメーカー名がYASHIO。CASHIOじゃねぇのかよ?ってかなりブッ飛びましたね。

9. 澤田さん
ストーリー中ルンペン役の2人が、まさかチュウのゾクのアタマ初代と2代目だったとはね。この意外な展開も堤さんならではですね。彼の作品にはムダな登場人物っていないんですよ、ホント。その初代の名前が澤田さん。でも、これが分かった時の回想シーンがまた笑わせる!イノッチのボケがナチュラル過ぎて、しかも普通過ぎて。単に沢田さんじゃなくて田沢さんだったってオチなんですけどね。おまけにこの初代と2代目が常に抱えているボードゲーム「ポンジャン」なんて懐かしい半面、なんでコレ選んだの??・・・死にそうになる(笑)。

10. 屋形船
それほど若い人たちにとって屋形船でバカ騒ぎする大人はみっともない存在なのでしょうか?私はやっぱり下町育ちのせいか、屋形船っていうのは大人の「粋」のひとつなんですよ。唯一、この映画の中で価値観の違いを発見したポイントでしたね。確かに、この映画に出てくるような大人の遊び方は戴けないかもね、今や接待の象徴みたいな存在と化していますもんねぇ。

11. もうひとつのテーマソング
「スイカの名産地」的な彼らのテーマソング「道の唄」が印象的でした。てっきり文部省唱歌だと思っていたのに、音楽の先生のオリジナルだったとは・・・ここに銀粉蝶さんをもってくるのも堤さんらしいけど(しかも全然ちゃんと映ってないし・爆)こういう街ネタっていいよねぇ〜、子供の頃必ずあったよねぇ〜。この曲ってサントラに入ってるかなー?入ってたら欲しいなぁ〜。

この他にもいーっぱいあるんですけど、挙げたらキリがない。八塩団地の解説をするシーンが「特命リサーチ200X」風だったり(ナレーションまで同じ)、そのCGシーンに出てくる地名のもじり方も絶妙なんだけど、これが分かる人は東京の方だけでしょうなぁ。あと、タクマとタイマン張ったボーダーのチーム名がストリートスライダーズで、おまけにその子のニックネームが蘭丸ってのもかなりウケたけど。
個人的に好きなシーンを挙げると、高校の卒業式の回想シーンで校門の外の塀に寄りかかって立ってるチュウがいいですね。あのソフトリーゼントが一番お気に入りだな。ついでに言うと、こういう回想シーンでカツラのっけただけで若いころをムリヤリ演じているのも個人的にはツボ(笑)。

そして、やはり何と言っても最後タクマが八塩を出ていくシーンにはグッとくるものがありますね。ドラマ「ネバーランド」で斗真くんが仲間と離れて行くシーンとオーバーラップしてしまいました。甘酸っぱくて胸がキュンとなる青春群像が集約されていて清々しい!しかし、どんなジェネレーションでも本当に「Life is hardだけどHappy」ですよ。言い得ていますよね、このフレーズって。

しかし、大ちゃんは天才的でしたね。特に★ちゃんのお母さんに食われちゃうクダリはハンパなくおかしいし、新聞たんまり集配しちゃったり、玄関先で部屋の奥を伺おうとしている時の仕草や、キュウリの袋詰なんかは「素」なのかなーって思えるほどナチュラルなんだもん。大ちゃんって一見地味だけど(ごめんなさい!)すごく表現力があって才能のあるタレントさんだと思います。
最後に、この作品はイノッチが原案とのことで、おそらくこの映画をご覧になった多くの方々が「こんな人たちホントにいるのかよ?こんなこと本当に現実にあるのかしら?」と思われている事と思いますが・・あるんです!下町育ちの私の周りにも、少なからずこうした(いろんな意味で)おかしな人たちや場所、そして大人たちがうんじゃりいました。私の話しも映画に出来そうって正直思ったもん(笑)。ってことは、やっぱ私のLifeもhardだけどHappyで(ボン風の発音で読んでね)、ピカイチでハレンチなのかなー?


※ 文中★印の役名を忘れてしまい・・・公式サイト等で調べたのですが分からなかったのでそのままにしました。
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