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映画 『TROY』 感想文
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イリアス(上)

ホメロス
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ホメロス
オデュッセイア(上)

ホメロス
オデュッセイア(下)

ホメロス
トロイア戦争

翻訳書
シュリーマン
トロイア発掘者の生涯


翻訳書
古代への情熱―シュリーマン自伝

翻訳書
岩波文庫 岩波文庫 岩波文庫 岩波文庫 講談社 白水社 岩波文庫
ハーレムが選ぶブラッドピットの名作
リバー・ランズ・スルー・イット>>> レジョンド・オブ・フォール>>> スナッチ>>> インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア>>> ファイトクラブ>>> カリフォルニア>>> 12モンキーズ>>>
若き日のブラッドのルックスもさることながら、ストーリーも逸品。必見です。 旬のブラッドのルックスが一番愉しめる作品。ストーリーも女性向きです。 宮藤官九郎氏が木更津キャッツアイの参考にした作品の一つ。ブラッド自ら出演を嘆願したそうです。 不仲説が出たトム・クルーズとの共演作品。ヴァンパイアのブラッドはみものです。 奇才エドワード・ノートンとの共演作。ストーリーといい仕掛けといい、話題を呼んだ名作。 ブラッドが超悪役キャラを演じてます。共演のジュリエット・ルイスとはこの共演がキッカケで恋仲に。 モンティー・パイソンのテリーギリアム監督の近未来がテーマのSF。難解ですが、はまります。


トロイはホメロスの叙事詩「イーリアス」の一節
それにしてもホメロスさん、いかつい顔だなー。
大英博物館のグレートコートでまずはパチリ。
マウスオーバーするとトロイの遺跡を復元したジオラマが
ブラッド・ピット演じるアキレスの衣装。実際に使用されたものです。
マウスオーバーするとトロイの王子ヘクターの衣装に変わります。
TROY感想文 2004年6月2日 by キリエ

日本においてはブラッドとオーランドのイケメン共演やブラッドの鍛え上げた肉体ばかりに話題と期待が集中していた感がありましたが、実際映画を見てみるとそれだけに留まらず、伝説か史実かは別としてトロイ戦争の時代から現代に至るまで根絶する事の無い“戦争”に対する風刺とも取れるような映画に仕上がってたように思いました。人類は3千年を経ても同じ理由で同じ様に殺戮を繰り返す哀れな存在である事がこの映画が暗示していた事ではないでしょうか?同じ理由とは、君主にとっては、「権力の拡大」や「支配」であり、実際に戦う戦士達にとっては、「家族や愛するものを守るため」であったり、「君主への忠誠心や祖国に対する愛国心」であったり、「名誉」であったり、「復讐」であったり・・・。「トロイ」の主人公たちはアキレスというキャラクターを軸として戦争に起因する「復讐」の連鎖によってそれぞれの運命が操られてしまいます。“復讐の先には終わりがあるのか?”ギリシャ軍の囚われの身になったトロイ人の巫女であるブリセウスがアキレスに問いかけ、「永遠に終らない」とアキレスが答えた通り、例えどんなに正当な復讐であろうとも、復讐が新たな復讐を生み、悲劇が悲劇を繰り返し続ける訳です。この映画を通して、人類がトロイ戦争の時代から21世紀と呼ばれる現代に至るまで、絶えまなく起きた戦争やテロの勃発を防ぐ術を見出せないでいる苦悩を再確認する事できました。人類は進歩するどころか3千年間同じ過ちを繰り返し続けている訳ですから。だから「トロイ」を見ていても、決して遠い昔のおとぎ話とは思えませんでした。それでもこの映画の主人公達の戦いの原動力は全て「愛」に派生されていると分かるので、リアルな映像の中でもロマンチックな世界観を愉しむ事が出来ます。

ブラッドが演じたアキレスは、ギリシャの連合軍の1部隊としてトロイに渡る無敵の戦士。ギリシャ軍の戦士達にとっては、ヒーロー的存在ではあっても、彼は反体制主義を貫き自分の納得がいく理由がない限り参戦しない。映画の前半では、アキレスは敵に対しては血も涙もない冷血な殺人マシーンであるかの様に描かれるのですが、後半では彼の公平さや人間味、そして人並みの愛情を持つ‘人の子’である事が強調されていきます。まぁ、そういう描き方じゃなかったら、ブラッドも出演しなかったかもしれませんが。アキレスはそもそも自分の名を後世に残す事が主なモチベーションとしてトロイ戦争に参加するのですが、ご存知の通りその目的は達成され、彼の名は人類が滅亡しない限り私達の身体の一部である“アキレス腱”として永久に存在するわけです。
それにしてもブラッドさんは、ちょっと鍛えすぎじゃありませんか?!あそこまで筋肉がありまくるとさすがにちょっと引きますね・・・。またギリシャ民族系の中でブロンドヘアーがやけに浮いてましたっけ。あれだけエキストラやCGが多いと主役を見立たせる為に、ブロンドというのは確かに効果はあるとは思いましたが。

オーランドが演じたフランスの首都と同名のパリスは、とんでもないあきれ果てたへっぽこ野郎なんですが、この役をオーランドは好演したと思います。(褒めてます!)腰抜け役なのに身体は無駄なくらい逞しくて(笑)、その上に乗っかったダークなカーリーヘアーがお似合いのお顔は、まさに想像通りのトロイの王子様のようでした。ロード・オブ・ザ・リングの勇士の一人だったレゴラスとは打って変わった超ウルトラ情けない腰抜け王子なんですが、あのレゴラスのイメージが定着しているせいか、パリスの戦闘シーン等は非常に歯がゆい思いで見てしまいました。そしてパリスが弓を引くシーンでは、「そうよ、この子は剣より弓なの!」と心の中で声援をおくってしまいました。CMでもチラッと映ってるように、レゴラスとの違いを誇示するかのようにパリスは全く違ったフォームで弓を構えていましたね。でもやっぱりオーランドの役は、強いのに優雅な役の方がいいなぁ〜。また戦争の発端となったパリスがちゃっかり連れて帰ってしまったヘレンとのラブシーンも想像(期待?)したほど多くなかったし、今回はあまりおいしいシーンがない?と思いきや、一番おいしいところもってくんですよね。トロイ戦争のストーリーにお詳しい方は既にご存知かと思いますが、元はといえばそもそもこのパリスのせいで、戦争が勃発するわけで、言うたらトロイが滅亡したのも全てこの男のせいなワケですよ。なのに終始彼だけがやけにハッピーエンドなんですね。もしストーリーを知らない方がいらしたら、この辺りのとこ映画でよ〜くチェックして下さい。またオーランドがブラッドと共演しているシーンがごく限られていたのは、意外な気がしました。余談ですが、ブラッドにしてもオーランドにしてもあともうちょっと下を映したら・・・というギリの際どいショットがあります。監督さんは女性ファンへのサービスも忘れてはいませんでしたね〜。

ヘクトル役のエリック・バナは・・・・。ん〜、微妙。「ハルク」でも微妙だったし・・・。なんか顔が負け顔なんですよね、この方。とても強そうに見えなくて。この映画の見所の一つだったアキレスとの一騎打ちのシーンとか本当に素晴らしいんですが、彼が負けるであろう事が余りに明らかでハラハラ出来ないんですよね。ブラッドに強烈なインパクトを持たせる為の意図的な起用だったのかもしれませんが、どうも彼には物足りない感じでした。ところでヘクトルの子供(赤ちゃん)が出てくるんですが、こっちの方がインパクトありましたね!まあ、その赤ちゃんがデカかったこと、デカかったこと・・・・。

へクトルとパリスの父であるトロイの王、プリアモスを演じたのは、かの名優ピーター・オトォール。この映画の鳴り物であるリアルな戦闘シーンやロケ地やセットもみな素晴らしいのですが、私は何よりも彼の名演技に一番感動しました。プリアモスがアキレスを抜き打ちで訪ねるシーンの中で発せられたセリフには、超感動して泣けてしまいました。王としての誇りより、息子を愛する一人の父親としてアキレスに嘆願するシーンがあるのですが、アキレスをも感動させ涙させてしまうのです。「息子が初めて目を開けた瞬間から最後に目を閉じた瞬間まで、私はずっと息子を愛していた」みたいな事を言うんですが、この何気ないセリフを彼が発するとすごく重みがあってじ〜んと心に沁みてきました。でも映画のスクリーンを離れて冷静に考えれば、彼の息子の一人であるパリスの愚かさで、何の罪もない国民が戦争に巻き込まれ多くの命が失われた訳ですから、一人の息子を失った父に同情するよりそっちの方にもっと同情すべきところなんでしょうけど。

ショーン・ビーンはオープニングのナレーションをやっていたので、何か重要な役を演じるだろうと思っていましたが、予想通りのキーマンでした。彼とオーランドが絡むシーンは全くなかったです。えっ?ロードの続編じゃないんだから、期待すんなってか?

概して戦闘シーンはあまり得意な方ではないのですが、「ロード・オブ・ザ・リング」の様に絶対的な悪と闘う聖戦、しかも相手が人間じゃないので全然見れるのですが、「TROY」はどちらが悪とも敵とも割り切れないし、しかも人間同士の戦いなのである種すごくリアル過ぎてちょっと怖かったです。

それでもなんだかんだ言っても、とどのつまりはやはり“ブラッドの為の映画”って印象は残りましたね。


TROY参考資料

何にでも直ぐガツガツと興味を抱いてしまう私なのですが、子供の頃ギリシャ神話が大好きで、トロイの事もバクッとは知っていたのですが、映画を見た後にもっと知りたくなりちょっと調べてみましたので、ご興味のある方はご参照下さい。順次更新していきます。
大英博物館に展示されているトロイ戦争をモチーフとしたアート トロイ戦争を知る上で最も基礎となる情報
アキレス対へクトルの戦い ホメロス 紀元前十世紀頃のギリシァの詩人。「イリアス」「オデッセイア」の著者。トロイ戦争の話はホメロスの叙事詩に基づいています。
ツボに描かれたパリス(座ってる人) シュリーマン 考古学者。トルコのヒッサリクの丘にトロイを発掘。
ヘレンとパリス(なんかどっちもブサイク) 世界不思議発見 「トロイの黄金を求めて! 発掘王シュリーマンの光と影」
映画「トロイ」参考資料
ロケ地 マルタ島観光局 |トロイムービーマップ
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戦争がもたらした超現実主義は宗教や哲学を超えた  2004年6月8日更新 by うらら

まぁ、それにしてもオーランド演じるパリスは無知で非力のくせにいっぱしの理想を掲げ、人のオンナにちょっかい出す欲望だけは大人並みという、いかにも古代ヨーロッパ人の典
型のような人物でしたね。しかし、昔々の戦争なんて案外こうした「人のモノを盗った、盗らない」というレベルのシンプルなことが発端だったんでしょうね。結局盗られたモノが、食料
なのか、人のカアちゃんなのか、権力や国なのかってことで綿々と続いているわけで、人間とは何と愚かで救い難い生き物なのでしょうか。

闘うことでしか力を誇示できない軍国主義の世に生まれてしまったからこそ、アキレスが名声を残す術は戦いしかなかったわけです。でも、出土したアガメムノンの黄金のマスクに施された彫金技術に代表されるように、古代ギリシャ文化は美術、芸術に秀でたばかりでなく、スコラーシップ=哲学を生み、西洋医学の礎を築き、円形劇場で戯曲を演じるなどエンターテインメントも充実していました。気候も温暖で、作物も豊富、景色もさぞかし素晴らしかったことでしょう。そんなに豊かな国であっても、こと「産業」はと顧みれば、その言葉の意味とは真逆の「戦争」という破壊行為が産み出す経済効果に頼っていたわけです。

しかし、お上の私情が起こした不条理な戦争だってのに、兵士は自らの命を賭けて良く働きますよね。神々への信仰心がそうさせるのでしょうか?トロイはアポロンにより護られていたので、数々の戦いや侵略にも屈することなく永らえていました。それが兵士に自尊心と戦術のスキルアップをもたらしたわけですが、アキレスがトロイに上陸するや否や、国の象徴であるアポロンの巨大な像はあっけなく首チョンパにされてしまうんです。アキレスが信じるものは自分自身のみ。自らの国を治める強大な力を持つアガメムノン王でもなく、ましてや神話の世界に住む神々でもない、その目で確認することのできる四肢を流れる熱い血潮だけ。そして、それが唯一無二であることを彼は悟っています。でも、誰もが一目置き怖れをなしている強いペルソナを持つ彼は、決して冷血漢であるわけじゃないんです。寝ようとして瞼を閉じれば、殺した男たちの顔が浮かんで罪の意識に苛まれ、息子を失ったトロイの王の悲しみをも共有し、そしてトロイの女性に癒しを求めて愛する、そしてその愛こそが彼の命を奪う結果を招くわけです。

神を信じないアキレスの現実主義は、トロイの滅亡によってその正当性が証明されます。信心深いトロイの神官たちは海の神トリトンの置き土産であるからと言って、いわば囮である木馬を海岸に放って置く事ができずに、パリスの忠告を無視して堅固に守り抜いた城門をあっさりと開け広げて街の中心部に運び入れてしまいます。ギリシャの神々は人間なんですよね。だからこそ、より説得力のある宗教として人々に信仰されていたわけです。

それにしても、ハリウッド映画は戦いの中の愛を描くのが上手ですね。すべての映画のテーマが「愛」であると言ってもいいかもしれません。「ダイハード」シリーズ、「インディペンデンス・デイ」、「ディープ・インパクト」、「アルマゲドン」、「マトリックス」、「ジュラシック・パーク」etc…話題となった大作は全て万国共通のヒューマニズムと愛がテーマになっています。だからこそ、そこに至るまでの過程が突飛だったり斬新だったりしても世界中の人々が文化慣習を超えて、わざわざお金を出しても見たいと思うのでしょう。じゃあ、なぜ戦争が起こるんでしょうね?かつてジョン・レノンが「イマジン」で平和についてIt’s easy if you tryと歌い、それを聴いた誰もが納得したことが、なぜ今だにできないのでしょう?どの犬も散歩に行くのが好きなように、どのネコも暖炉の上に登りたがるように、これも人間の業というものなのでしょうか?

先日知り合ったある人が印象的な事をおっしゃっていました。戦争を起こす人間も、それを止めろとデモ行進する人も大して変わりはないと。戦争反対と拳を掲げながら大きな声を張り上げて隊列を成して行進していく人々に同調することはできないと。なるほどなーと思いました。まず、その拳を下げることから反戦が始まるんだろうと、その人は言うんですね。その方の言葉には100%賛成できないながらも、その言葉を聞いて目からウロコが落ちる思いでした。

映画「トロイ」を見て、イラク戦争や各国で今も繰り返し続けられている紛争について考えて欲しいとまでは言いません。ブラッドはセクシーで魅力的だし、オーランドもへなちょこだけどやっぱりカワイイし、セットや衣装、剣術、CGなども素晴らしいです。そういうセールスポイントだけをとってみても充分に見ごたえがある映画なので是非堪能して頂きたいと思います。ただし、ブラッドとオーランドはおそらく一度も対面して演技をしていないでしょうね。二人の絡みはワンシーンだけ。それもカットバックなので「共演」とは言えないかも。そして、もしも、この映画をご覧になってギリシャ神話とか古代ヨーロッパの歴史とか、ホメロスの叙情詩とか、ひとつでもご存じのない事柄があったとしたら是非興味を持って頂きたいと思います。その裏には必ず戦いがあり、それによって歴史が支えられていることを嫌でも感じざるを得ないでしょう。

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